生息情報
瀬戸内海沿岸部の一部地域を除いて、ほぼ全県的に生息している。北但馬、丹波、阪神北、西播磨、淡路地域で生息密度が高い傾向がある。なお、本県の分布の特殊なケースとして、神戸・阪神地域の都市部に隣接する六甲山地に人慣れの進んだイノシシが分布しており、市街地への出没もみられる。
被害状況
ニホンジカに次いで深刻な農林業被害を発生させており、野生鳥獣全体の農林業被害総額(約6億3千万円)の約39%(約2億4千万円)を占めている(平成26年度の場合)。車との衝突による交通事故などの生活被害も増加している。さらに、六甲山地では餌付けによる人慣れしたイノシシによる人身被害も発生している。
対策
生息密度が比較的低くても深刻な農業被害を発生させることから、個体数管理より防護柵の設置等の農地へ侵入させない対策が重要となる。また、中山間地域では耕作放棄地の増加が餌場や隠れ場所を提供し、被害の発生を助長している側面があることから、集落周辺の環境改善も必要である。繰り返し被害を発生させている個体については積極的な捕獲を行う必要がある。
資料
- 第3期イノシシ保護管理計画 (兵庫県HPに飛びます)
- 獣種別被害対策パンフレット(イノシシ)
- 集落防護柵を用いたシカ・イノシシの被害対策 (表面)/(裏面)
- 分布拡大するイノシシの管理に向けた研究手法の開発と豚熱対策の現状